ERRNO
Section: Linux Programmer's Manual (3)
Updated: 2006-02-09
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名前
errno - 直近に発生したエラーの番号
書式
#include <errno.h>
説明
ヘッダファイル
<errno.h>
で整数型の変数
errno
が定義されており、この変数には、
システムコール及びいくつかのライブラリ関数により
エラーが発生した際にその原因を示す値が設定される。
この値はコールがエラー (通常 -1) を返した時にのみ意味を持つが、
ライブラリ関数は成功した場合も
errno
を変更することが許されている。
時には、関数が成功した場合の有効な返り値として -1 が返されることがある。
このような場合、エラーを検出するためには、呼び出しの前に
errno
を 0 にしておく必要がある。
errno は、ISO C standard で int 型の変更可能な左辺値
として定義されており、明示的に宣言を行ってはならない;
errno はマクロの場合もありえる。
errno はスレッド毎に値を持つ。
つまりあるスレッドで errno が設定されても、
他のスレッドの errno には影響しない。
有効なエラー番号はいずれも 0 以外の値を持つ。
つまり、 errno を 0 に設定するライブラリ関数はない。
POSIX.1 で定義されているすべてのエラー名には、
それぞれ異なる値が対応していなければならない。
但し、
EAGAIN
と
EWOULDBLOCK
は例外で、これらは同じ値を持ってもよい。
- E2BIG
-
引き数リストが長過ぎる (POSIX.1)
- EACCES
-
許可がない (POSIX.1)
- EADDRINUSE
-
アドレスがすでに使用されている (POSIX.1)
- EADDRNOTAVAIL
-
アドレスが使用できない (POSIX.1)
- EAFNOSUPPORT
-
アドレス・ファミリーがサポートされていない (POSIX.1)
- EAGAIN
-
リソースが一時的に利用不可
(EWOULDBLOCK
と同じ値でもよい) (POSIX.1)
- EALREADY
-
接続が既に処理中である (POSIX.1)
- EBADE
-
不正なやり取り (exchange) である
- EBADF
-
ファイルディスクリプタが不正である (POSIX.1)
- EBADFD
-
ファイルディスクリプタが不正な状態である
- EBADMSG
-
メッセージが不正である (POSIX.1)
- EBADR
-
不正なリクエストディスクリプタ
- EBADRQC
-
不正なリクエストコード
- EBADSLT
-
不正なスロット
- EBUSY
-
リソースが使用中である (POSIX.1)
- ECANCELED
-
操作がキャンセルされた (POSIX.1)
- ECHILD
-
子プロセスが無い (POSIX.1)
- ECHRNG
-
チャンネル番号が範囲外である
- ECOMM
-
送信時に通信エラーが発生した
- ECONNABORTED
-
接続が中止された (POSIX.1)
- ECONNREFUSED
-
接続が拒否された (POSIX.1)
- ECONNRESET
-
接続がリセットされた (POSIX.1)
- EDEADLK
-
リソースのデッドロックを回避した (POSIX.1)
- EDEADLOCK
-
EDEADLK
の同義語
- EDESTADDRREQ
-
宛先アドレスが必要である (POSIX.1)
- EDOM
-
数学関数で引き数が領域外である (out of domain)
- EDQUOT
-
ディスク・クォータ (quota) を超過した (POSIX.1)
- EEXIST
-
ファイルが存在する (POSIX.1)
- EFAULT
-
アドレスが不正である (POSIX.1)
- EFBIG
-
ファイルが大き過ぎる (POSIX.1)
- EHOSTDOWN
-
ホストがダウンしている
- EHOSTUNREACH
-
ホストに到達不能である (POSIX.1)
- EIDRM
-
識別子が削除された (POSIX.1)
- EILSEQ
-
不正なバイト列 (POSIX.1, C99)
- EINPROGRESS
-
操作が実行中である (POSIX.1)
- EINTR
-
関数呼び出しが割り込まれた (POSIX.1)
- EINVAL
-
引数が無効である (POSIX.1)
- EIO
-
入出力エラー (POSIX.1)
- EISCONN
-
ソケットが接続されている (POSIX.1)
- EISDIR
-
ディレクトリである (POSIX.1)
- EISNAM
-
名前付きのファイルである
- EKEYEXPIRED
-
鍵が期限切れとなった
- EKEYREJECTED
-
鍵がサーバにより拒否された
- EKEYREVOKED
-
鍵が無効となった
- EL2HLT
-
停止 (レベル 2)
- EL2NSYNC
-
同期できていない (レベル 2)
- EL3HLT
-
停止 (レベル 3)
- EL3RST
-
リセット (レベル 3)
- ELIBACC
-
必要な共有ライブラリにアクセスできなかった
- ELIBBAD
-
壊れた共有ライブラリにアクセスしようとした
- ELIBMAX
-
リンクしようとした共有ライブラリが多過ぎる
- ELIBSCN
-
a.out のライブラリセクションが壊れている (corrupted)
- ELIBEXEC
-
共有ライブラリを直接実行できなかった
- ELOOP
-
シンボリック・リンクの回数が多過ぎる (POSIX.1)
- EMEDIUMTYPE
-
間違ったメディア種別である
- EMFILE
-
オープンされているファイルが多過ぎる (POSIX.1)
- EMLINK
-
リンクが多過ぎる (POSIX.1)
- EMSGSIZE
-
メッセージが長過ぎる (POSIX.1)
- EMULTIHOP
-
マルチホップ (multihop) を試みた (POSIX.1)
- ENAMETOOLONG
-
ファイル名が長過ぎる (POSIX.1)
- ENETDOWN
-
ネットワークが不通である (POSIX.1)
- ENETRESET
-
接続がネットワーク側から中止された (POSIX.1)
- ENETUNREACH
-
ネットワークが到達不能である (POSIX.1)
- ENFILE
-
システム全体でオープンされているファイルが多過ぎる (POSIX.1)
- ENOBUFS
-
使用可能なバッファ空間がない (POSIX.1 (XSI STREAMS option))
- ENODATA
-
ストリームの読み出しキューの先頭に読み出し可能なメッセージがない
(POSIX.1)
- ENODEV
-
そのようなデバイスは無い (POSIX.1)
- ENOENT
-
そのようなファイルやディレクトリは無い (POSIX.1)
- ENOEXEC
-
実行ファイル形式のエラー (POSIX.1)
- ENOKEY
-
要求された鍵が利用できない
- ENOLCK
-
利用できるロックが無い (POSIX.1)
- ENOLINK
-
リンクが切れている (POSIX.1)
- ENOMEDIUM
-
メディアが見つからない
- ENOMEM
-
十分な空きメモリ領域が無い (POSIX.1)
- ENOMSG
-
要求された型のメッセージが存在しない (POSIX.1)
- ENONET
-
マシンがネットワーク上にない
- ENOPKG
-
パッケージがインストールされていない
- ENOPROTOOPT
-
指定されたプロトコルが利用できない (POSIX.1)
- ENOSPC
-
デバイスに空き領域が無い (POSIX.1)
- ENOSR
-
指定されたストリーム・リソースが存在しない (POSIX.1 (XSI STREAMS option))
- ENOSTR
-
ストリームではない (POSIX.1 (XSI STREAMS option))
- ENOSYS
-
関数が実装されていない (POSIX.1)
- ENOTBLK
-
ブロックデバイスが必要である
- ENOTCONN
-
ソケットが接続されていない (POSIX.1)
- ENOTDIR
-
ディレクトリではない (POSIX.1)
- ENOTEMPTY
-
ディレクトリが空ではない (POSIX.1)
- ENOTSOCK
-
ソケットではない (POSIX.1)
- ENOTSUP
-
操作がサポートされていない (POSIX.1)
- ENOTTY
-
I/O 制御操作が適切でない (POSIX.1)
- ENOTUNIQ
-
名前がネットワークで一意ではない
- ENXIO
-
そのようなデバイスやアドレスはない (POSIX.1)
- EOPNOTSUPP
-
ソケットでサポートしていない操作である (POSIX.1)
(Linux では
ENOTSUP
と
EOPNOTSUPP
は同じ値を持つが、
POSIX.1 に従えば両者のエラー値は区別されるべきである。)
- EOVERFLOW
-
指定されたデータ型に格納するには値が大き過ぎる (POSIX.1)
- EPERM
-
操作が許可されていない (POSIX.1)
- EPFNOSUPPORT
-
サポートされていないプロトコルファミリーである
- EPIPE
-
パイプが壊れている (POSIX.1)
- EPROTO
-
プロトコル・エラー (POSIX.1)
- EPROTONOSUPPORT
-
プロトコルがサポートされていない (POSIX.1)
- EPROTOTYPE
-
ソケットに指定できないプロトコル・タイプである (POSIX.1)
- ERANGE
-
結果が大き過ぎる (POSIX.1, C99)
- EREMCHG
-
リモートアドレスが変わった
- EREMOTE
-
オブジェクトがリモートにある
- EREMOTEIO
-
リモート I/O エラー
- ERESTART
-
システムコールが中断され再スタートが必要である
- EROFS
-
読み出し専用のファイルシステムである (POSIX.1)
- ESHUTDOWN
-
通信相手がシャットダウンされて送信できない
- ESPIPE
-
無効なシーク (POSIX.1)
- ESOCKTNOSUPPORT
-
サポートされていないソケット種別である
- ESRCH
-
そのようなプロセスは無い (POSIX.1)
- ESTALE
-
ファイルハンドルが古い状態になっている (POSIX.1)
NFS や他のファイルシステムで起こりうる。
- ESTRPIPE
-
ストリーム・パイプ・エラー
- ETIME
-
時間が経過した
(POSIX.1 (XSI STREAMS option))
(POSIX.1 では "STREAM
ioctl(2)
timeout" と書かれている)
- ETIMEDOUT
-
操作がタイムアウトした (POSIX.1)
- ETXTBSY
-
テキストファイルが使用中である (POSIX.1)
- EUCLEAN
-
Structure needs cleaning
- EUNATCH
-
プロトコルのドライバが付与 (attach) されていない
- EUSERS
-
ユーザ数が多過ぎる
- EWOULDBLOCK
-
操作がブロックされる見込みである
(EAGAIN
と同じ値でもよい) (POSIX.1)
- EXDEV
-
不適切なリンク (POSIX.1)
- EXFULL
-
変換テーブルが一杯である
注意
以下はよくやる間違いである。
-
if (somecall() == -1) {
printf("somecall() failed\n");
if (errno == ...) { ... }
}
このようにすると、参照している時点では
errno
はもはや
somecall()
から返された値を保持しているとは限らない
(printf(3)
により変更されているかもしれない)。
ライブラリコールをまたいで
errno
の値を保存したい場合は、以下のように保存しなければならない:
-
if (somecall() == -1) {
int errsv = errno;
printf("somecall() failed\n");
if (errsv == ...) { ... }
}
昔の C では、
<errno.h>
をインクルードするのではなく
errno
を手動で
(extern int errno
のように) 定義するのが一般的であった。
このようなことはしないこと。
こうすると、最近のバージョンの C ライブラリでは正しく動作しないだろう。
しかし、(非常に) 古い Unix システムでは、
<errno.h>
がなく、宣言が必要なことがあるかもしれない。
err(3),
error(3),
perror(3),
strerror(3)
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Time: 04:31:38 GMT, November 19, 2007