STRTOL

Section: Linux Programmer's Manual (3)
Updated: 2007-07-26
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名前

strtol, strtoll, strtoq - 文字列を long int に変換する  

書式

#include <stdlib.h>

long int
strtol(const char *nptr, char **endptr, int base);

long long int
strtoll(const char *nptr, char **endptr, int base);

glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):

strtoll(): XOPEN_SOURCE >= 600 || _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _ISOC99_SOURCE; or cc -std=c99  

説明

strtol() 関数は、 nptr の文字列の最初の部分を、 base を基数として long int に変換する。 この base は 2 から 36 までの値 あるいは特別な意味を持つ値 0 でなければならない。

文字列の先頭には、任意の数の空白があってもよく (空白は isspace(3) で判定される)、また数字の直前には '+' か '-' の 符号があってもよい。 base が 0 または 16 の場合には、文字列の先頭に "0x" を置くことが でき、その場合には文字列は 16進数として扱われる。 これ以外の文字列で base が 0 の場合は、 文字列が '0' で始まるときは 8進数として、 それ以外のときは 10進数として扱われる。

数字を表す文字列は long int に変換されるが、基数に対して 有効でない数字が現れた時点で変換は終了する。(11進数以上では 'A' は 大文字・小文字に関わらず 10 を表し、 'B' は 11 を表現し、 以下同様に、 'Z' は 35 を表す。)

endptr がヌル値 (NULL) でない場合は、最初に現れた不正な文字が strtol() によって *endptr に保存されている。 文字列に有効な数字がひとつもなければ、 strtol() は nptr の元の値を *endptr に代入する (そして 0 を返す)。 特に、*nptr が '\0' 以外で、返された **endptr が '\0' ならば、文字列全体が有効だったことになる。

strtoll() 関数は strtol() と同様だが、long long int 型の値を返す。  

返り値

アンダーフローもオーバーフローも起きなかった場合、 strtol() 関数は 変換された値を返す。オーバーフローした場合には LONG_MAX が返り、 アンダーフローした場合には LONG_MIN が返る。オーバーフロー、 アンダーフローのいずれの場合にも 大域変数 errno には ERANGE が設定される。 strtoll() も同様であるが、 LONG_MINLONG_MAX の代わりに LLONG_MINLLONG_MAX が返される。  

エラー

EINVAL
(C99 にはない) base が対応していない値である。
ERANGE
結果の値が範囲外である。

実装によっては、変換が行われなかった場合 (数字がなく、0 を返した場合)、 errnoEINVAL が設定される場合がある。  

準拠

strtol() は SVr4, 4.3BSD, C89, C99 と POSIX.1-2001 に準拠している。 strtoll() は C99 と POSIX.1-2001 に準拠している。  

注意

strtol () からは成功、失敗どちらの場合でも 0, LONG_MAX, LONG_MIN (strtoll() では LLONG_MAX, LLONG_MIN) が返る可能性があるので、 プログラムは関数を呼び出す前に errno を 0 に設定し、呼び出し後に errno が 0 以外の値かどうかを確認しエラーが発生したかどうかを判断する 必要がある。

"C" 以外のロケールの場合、その他の文字列も受け付けられるかもしれない。 (例えば、現在のロケールの 1000 毎の区切り文字がサポートされているかもしれない。)

BSD には、

quad_t
strtoq(const char *nptr, char **endptr, int base);

という完全に同様の定義を持つ関数がある。 使用中のアーキテクチャのワード長次第であるが、この関数は strtoll() か strtol() と等価となることもある。  

以下のプログラムは strtol() の使用例である。 最初のコマンドライン引き数には strtol() が数字として解釈する文字列を指定する。 (省略可能な) 二番目の引き数には 変換に使用される基数を指定する (この引き数は atoi(3) を使って数値に変換される。 atoi(3) は strtol() よりも簡単なインタフェースを持つ関数で、 その中ではエラーチェックは行われない)。 このプログラムの実行例をいくつか以下に示す:

$ ./a.out 123
strtol() returned 123
$ ./a.out '    123'
strtol() returned 123
$ ./a.out 123abc
strtol() returned 123
Further characters after number: abc
$ ./a.out 123abc 55
strtol: Invalid argument
$ ./a.out ''
No digits were found
$ ./a.out 4000000000
strtol: Numerical result out of range

プログラムのソースコードは以下の通り:

#include <stdlib.h>
#include <limits.h>
#include <stdio.h>
#include <errno.h>

int
main(int argc, char *argv[])
{
    int base;
    char *endptr, *str;
    long val;

    if (argc < 2) {
        fprintf(stderr, "Usage: %s str [base]\n", argv[0]);
        exit(EXIT_FAILURE);
    }

    str = argv[1];
    base = (argc > 2) ? atoi(argv[2]) : 10;

    errno = 0;    /* To distinguish success/failure after call */
    val = strtol(str, &endptr, base);

    /* Check for various possible errors */

    if ((errno == ERANGE && (val == LONG_MAX || val == LONG_MIN))
            || (errno != 0 && val == 0)) {
        perror("strtol");
        exit(EXIT_FAILURE);
    }

    if (endptr == str) {
        fprintf(stderr, "No digits were found\n");
        exit(EXIT_FAILURE);
    }

    /* If we got here, strtol() successfully parsed a number */

    printf("strtol() returned %ld\n", val);

    if (*endptr != '\0')        /* Not necessarily an error... */
        printf("Further characters after number: %s\n", endptr);

    exit(EXIT_SUCCESS);
}
 

関連項目

atof(3), atoi(3), atol(3), strtod(3), strtoul(3)


 

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Time: 04:32:06 GMT, November 19, 2007