このページでは、日本語対応の groff と less をコンパイルし、 それにあわせて man システムを設定、インストールする方法について解説します。
もちろんお使いのディストリビューションに日本語 groff, less, man が 含まれている場合は、そちらを使うようにしましょう。 ただしこの場合でも groff の日本語マクロ については目を通しておくと良いでしょう。
まず日本語対応の groff を作ります。 groff のバージョンは現在 1.11a まで行っているようですが、 日本語化パッチ (0.99) が対応しているバージョンは 1.10 です。 この日本語化パッチにより PS、 dvi 出力に日本語が 使えるようになるほか、 groff の出力オプションに日本語キャラクタ端末に対応した -Tnippon が追加されます。
tar zxf groff-1.10.tar.gz cd groff-1.10 zcat ../jgroff-0.99.diff.gz | patch -p1
./configure --prefix=/usr --JTeX=ASCIIします。
make make installでおしまいです。
cd xditview xmkmf make all make install install.manを実行すればインストールされます。
ところで、以上のようにして作成した groff では、 mdoc 形式の日本語 man ページを正しく整形できないことがあります。 この点を解決したマクロ mandocj が花高さんによって作成されました。
入手したら /usr/share/groff ディレクトリで
zcat groff-tmac-ja.tar.gz | tar xf -
のように展開すれば OK です。
man ページを見るページャですが、やっぱり less が一番でしょう。 バイナリパッケージも各種ディストリビューションから出ているでしょうが、 以下のようにコンパイルも簡単です。
ソースを入手しましょう。ファイル名は
です。やはり archie すればたくさん出てくると思いますが、 ac.jp な人ならこちらも 北大のサーバ などがお薦めです。
展開し、パッチ当てします。上の両者を置いたディレクトリから
zcat less-332.tar.gz | tar xf - cd less-332 zcat ../less-332-iso242.patch.gz | patch -p1
で出来上り。 INSTALL、 README.iso、 README.iso.jp などを良く読みます。
GNU なソフトのお作法に従い、コンパイル、インストールします。 configure の --prefix は、 インストールディレクトリの好みです。
./configure --prefix=/usr make su # make install
日本語を閲覧するための環境変数は、ずばり JLESSCHARSET です。 (t)csh な人なら ~/.(t)cshrc に
setenv JLESSCHARSET japanese
しておきましょう。 bash なら ~/.profile に
export JLESSCHARSET=japanese
ですね。
以上で roff ソースのコンパイルと、その閲覧をできる環境が整いました。 もし日本語のマニュアルページをすでにお持ちでしたら
groff -mandoc -Tnippon hoge.1 | less
などとしてみましょう。 先に日本語 groff マクロをインストールした人は
groff -mandocj -Tnippon hoge.1 | less
も試してみて下さい。 無事に日本語が表示されたら man コマンドのインストールに移りましょう。
man-1.5g.tar.gz という名前のアーカイブがオリジナルソースです。 archie して近いところから入手されることをお薦めしますが、 たとえば 理科大の sunsite などにも置いてあります。
JRPM プロジェクトによって作成された 日本語パッチ がありますので、これも入手しておきます。
ファイルを展開し、パッチ当てします。
zcat man-1.5g.tar.gz | tar xf - cd man-1.5g zcat ../man-1.5g-ja2.diff.gz | patch -p1
設定を
./configure +lang en,ja +fsstnd -ask
によって行います。すでに FHS なファイルシステムの方は、 +fsstnd は省略してください。 ただほとんどの distribution はまだ FSSTND に準拠しているでしょうから、 これで問題ないと思います。 スクリプトが聞いてくる質問に対して、 デフォルト以外を答えるところは以下の通り。
他にもファイルの置き場所などは適宜ご自分の好みに応じて変更して下さい。
make; make install で出来上がり。
/var/catman 以下を整備します (FSSTND 流儀)。
等のディレクトリ下に cat1 〜 cat9, catn のディレクトリを作り、 cat? ディレクトリのオーナーを man、グループを man、 パーミッションを drwxr-xr-x に します。 シェルスクリプトの一例を以下に示します。
#!/bin/sh mkdir -p /var/catman/ja_JP.ujis mkdir -p /var/catman/local/ja_JP.ujis mkdir -p /var/catman/X11/ja_JP.ujis for n in 1 2 3 4 5 6 7 8 9 n o do mkdir /var/catman/cat$n mkdir /var/catman/ja_JP.ujis/cat$n mkdir /var/catman/local/cat$n mkdir /var/catman/local/ja_JP.ujis/cat$n mkdir /var/catman/X11/cat$n mkdir /var/catman/X11/ja_JP.ujis/cat$n done chown -R man.man /var/catman/* chmod -R 755 /var/catman/*
環境変数を定義します。 tcsh なら /etc/csh.login などに
setenv LANG ja_JP.ujis
としておきます。(bash な人は適宜よろしく ;-) )
以上で、 /usr/man/ja_JP.ujis に展開された日本語マニュアルを
man hoge
で見られるはずです。 細かな部分は man.conf や MANPATH などで調整して下さい。 "man man"、ですね :-)。
マニュアルが nroff ソースで配布されていると、
man -t hoge | lpr -Pps
で Postscript での印刷もできるので、 じっくり読みたい場合などにはこちらをおすすめです :-)