ちょっと手をつけたのだが、pod2html の出力に対する加工がちとやりにくい。
もともと roff のみを対象にした ad hoc な処理のカタマリなので当然だが、
もとから再設計するのはあまりにもコストに合わない気がする。
いずれにしても明日あたり現状をまとめて ml に投げる予定。
前から読んでみたいと思っていたのだけど、
馬場さん
が話題にしていたのをきっかけに買ってみた。
連休前
からボチボチ読み進めていたのだが、この土日でやっと読了。
読み通すのにとても
(しかもあまり歓迎したくない方向で) 苦労する本だった。
書籍のページの半分くらいは、
一部のポストモダニスト達の言説に対する論駁のかたちを取っている。
元のテキストの大半は意味不明で、読んでると頭がグラグラしてくるような代物
*1
*2
だし、
反論の部分も数学・物理の高等教育を受けていない人間には
(たぶん) 理解しがたい内容なので、誰にでも無条件でおすすめできる本ではない。
一応まじめに全部読んでみたが、もうお腹一杯。
それ以外の章、特に「(第一・第二の)間奏」とタイトルがついている
4, 7 章は、そのような中に挟まっているのでほっとした、というか大変面白かった。
特に科学的な認識について議論している 4 章は、
ほとんどの科学者が (おそらく当然すぎて) 普段あまり意識していないことを
明確に述べてある点で意義深い。
科学教育の立場からも重要だと思う。
背景については
訳者の田崎先生のページ
に詳しい。これ
(とか本書 12 章の「エピローグ」) を読むと、
著者訳者や岩波書店がこの本
(やもとのパロディー論文)
を出版しようとした意図・意義が良くわかる。
このへんの事情はフランス・アメリカだけの問題なのか、
それとも日本を含む世界的な潮流なのか。
また、この本の出版はかなり強烈な event だったと思われるだけに、
その後の状況の変化についても知りたいところ。
*1: この部分の訳出作業は (大部分は訳書の引用になっていたとはいえ)
本当に大変だったと思う。
*2: とはいえこの「テキスト」が、
少なくとも一部のコミュニティでは、
非常に重要な価値があるとみなされていたのだが。