#include <unistd.h> char *getcwd(char *buf, size_t size); char *getwd(char *buf); char *get_current_dir_name(void);
glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):
getcwd():
_BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 500
get_current_dir_name():
_GNU_SOURCE
カレント絶対パス名 (current absolute pathname) が size よりも長い場合は、返り値として NULL が返り errno に ERANGE がセットされる。 アプリケーションはこのエラーをチェックし、 必要に応じてより長いバッファを用意すべきである。
buf が NULL の場合、 getcwd() の動作は未定義である。 POSIX.1-2001 標準の拡張として、 Linux (libc4, libc5, glibc) では呼びだし時に buf に NULL を指定することで getcwd() が必要なバッファを malloc(3) を用いて動的に獲得するようにできる。 この場合、 size が 0 の場合を除き、バッファの長さは size となる。 size が 0 の場合には必要な大きさが確保される。 この方法で獲得したバッファは free(3) で解放することが可能である(し、そうするのが賢明である)。
get_current_dir_name() はカレントディレクトリ名を収めるのに十分な大きさの配列を malloc(3) で獲得する。環境変数 PWD が設定されておりその値が正しければ、その値が返される。
getwd() は malloc(3) によるメモリ獲得を一切行なわない。 buf 引数は少なくとも PATH_MAX バイトの長さを持つ配列へのポインタである必要がある。 getwd() は実際のパス名の先頭 PATH_MAX バイトを返す。 PATH_MAX は必ずしもコンパイル時に決まる定数ではない点に注意すること。 ファイルシステムに依存する場合もあるし、無限長の場合もあり得る。 移植性とセキュリティ上の理由から、 getwd() の利用は推奨されない。
これらの関数はしばしばカレントワーキングディレクトリの位置を保存し、 後で戻ってくるために利用される。 未使用のファイルディスクリプタが十分ある場合は、 現在のディレクトリ (".") を開いて fchdir(2) を呼び出すほうが普通は高速で信頼性がある。 特に Linux 以外のプラットフォームの場合はそうである。