#include <iconv.h> size_t iconv(iconv_t cd, char **inbuf, size_t *inbytesleft, char **outbuf, size_t *outbytesleft);
主に使われるのは、 「inbuf が NULL でなく、かつ *inbuf が NULL でない」 という場合である。 この場合、 iconv() 関数は、 *inbuf で始まるマルチバイト文字列を *outbuf で始まるマルチバイト文字列に変換する。 *inbuf を先頭として最大 *inbytesleft バイトが読み込まれ、 *outbuf を先頭として最大 *outbytesleft バイトが書き出される。
iconv() 関数は 1 度に 1 つのマルチバイト文字を変換する。 そして、各文字変換毎に、変換された入力バイトの数だけ *inbuf を増加させ、*inbytesleft を減少させる。 また、変換された出力バイトの数だけ *outbuf を増加させ、*outbytesleft を減少させる。 さらに、cd に含まれる変換状態を更新する。 変換は、次の 4 つの場合に停止する。
1. 入力に無効なマルチバイト文字列があった場合。 この場合、関数は errno を EILSEQ に設定し、 (size_t)(-1) を返す。 *inbuf は、無効なマルチバイト文字列の先頭を指したままになる。
2. 入力バイト文字列が完全に変換され、*inbytesleft が 0 になった場合。 この場合、 iconv() は、呼出しの間に非可逆変換が行われた回数を返す。
3. 入力に不完全なマルチバイト文字列があり、 入力バイト文字列がその後で終了している場合。 この場合、関数は、errno を EINVAL に設定し、 (size_t)(-1) を返す。 *inbuf は、不完全なマルチバイト文字列の先頭を指したままにされる。
4. 出力バッファーに次の変換された文字列のための空きがない場合。 この場合、errno が E2BIG に設定され、 (size_t)(-1) が返される。
別のケースとしては、 「inbuf が NULL、または *inbuf が NULL である。 しかし、outbuf が NULL でなく、かつ *outbuf が NULL でない」 という場合がある。 この場合、 iconv() 関数は、cd の変換状態を初期状態にして、 対応するシフト文字列を *outbuf に保存しようとする。 最大 *outbytesleft バイトが、*outbuf を始めとして書き出される。 このリセットされた文字列に対して、出力バッファーに空きがない場合、 この関数は errno を E2BIG に設定し、 (size_t)(-1) を返す。 それ以外の場合、この関数は、書き込まれたバイトの数だけ *outbuf を増加させ、*outbytesleft を減少させる。
3 番目のケースしては、 「inbuf が NULL、または *inbuf が NULL である。 かつ、outbuf が NULL、または *outbuf が NULL である」 という場合がある。 この場合、 iconv() 関数は、cd の変換状態を初期状態にする。