REALPATH
Section: Linux Programmer's Manual (3)
Updated: 2007-07-26
Index
JM Home Page
roff page
名前
realpath - 正規化された絶対パス名を返す
書式
#include <limits.h>
#include <stdlib.h>
char *realpath(const char *path, char *resolved_path);
glibc 向けの機能検査マクロの要件
(feature_test_macros(7)
参照):
realpath():
_BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 500
説明
realpath()
は
path
として与えられた NULL で終る文字列の中にある
すべてのシンボリックリンクを展開し
'/./', '/../'
による参照や余分な
'/'
を解決して、正規化された絶対パス名を
resolved_path
というバッファーの中に格納する。
このバッファーのサイズは
PATH_MAX
である。
結果として返るパスの中には、シンボリックリンクや
'/./', '/../'
といった要素は含まれない。
返り値
エラーがなかった場合、
realpath()
は
resolved_path
へのポインターを返す。
それ以外の場合は、ヌル (NULL) ポインターが返り、配列
resolved_path
の内容は不定である。
グローバル変数
errno
がエラーの内容にあわせてセットされる。
エラー
- EACCES
-
パスのディレクトリ部分に、読み出し許可または検索許可が与えられていない。
- EINVAL
-
path
か
resolved_path
のいずれかが NULL である。
(libc5 では、このような場合 segfault を起こすだけであろう)
但し、下記の「注意」の節を参照のこと。
- EIO
-
ファイルシステムを読むときに、I/Oエラーが起こった。
- ELOOP
-
パス名の変換にあたり、解決すべきシンボリック・リンクの数が多過ぎた。
- ENAMETOOLONG
-
パス名の一要素の文字数が
NAME_MAX
を越えている、またはパス名全体の文字数が
PATH_MAX
を越えている。
- ENOENT
-
指定されたファイルが存在しない。
- ENOTDIR
-
パスのディレクトリ要素が、ディレクトリでない。
バージョン
この関数が Linux に登場したのは libc 4.5.21 である。
準拠
4.4BSD, POSIX.1-2001.
4.4BSD と Solaris では、パス名の長さの上限は
(<sys/param.h> の中にある)
MAXPATHLEN
である。SUSv2 では
PATH_MAX
と
NAME_MAX
が規定されており、
これらは <limits.h> で定義されているか、
pathconf(3)
関数から得られる。以下のようなソースコードになっていることが多い
(バグの章も参照のこと) :
-
#ifdef PATH_MAX
path_max = PATH_MAX;
#else
path_max = pathconf(path, _PC_PATH_MAX);
if (path_max <= 0)
path_max = 4096;
#endif
4.4BSD、Linux、SUSv2 では、返り値は常に絶対パス名である。
Solaris では、
引き数
path
が相対パスの場合、返り値が相対パスになることがある。
realpath()
のプロトタイプ宣言は、
libc4 と libc5 では <unistd.h> にあるが、
それ以外の環境ではいずれも <stdlib.h> にある。
注意
realpath()
の glibc の実装では非標準の拡張がなされている。
resolved_path
に NULL が指定されると、
realpath()
は
malloc(3)
を使って解決したパス名を保持するためのバッファを
最大で
PATH_MAX
バイトまで割り当て、このバッファへのポインタを返す。
呼び出し元は、
free(3)
を使ってこのバッファを解放すべきである。
バグ
この関数の使用は避けること。設計段階から問題があるからだ。
(非標準の
resolved_path == NULL
の拡張機能を使わない限り) 出力バッファ
resolved_path
の適切なサイズを決定することができないからである。
POSIX ではバッファ・サイズとして
PATH_MAX
は十分だとされているが、
PATH_MAX
は定義済の定数である必要はなく、
pathconf(3)
を使って得られる値であってもよいことになっている。
pathconf(3)
からバッファ・サイズを取得したとしても必ずしも十分ではない。
なぜなら、
pathconf(3)
の返り値が大き過ぎて適切にメモリを確保することができないかもしれない
と POSIX では警告されているし、
pathconf(3)
は
PATH_MAX
に制限がないことを示す -1 を返すかもしれないからである。
libc4 と libc5 の実装はバッファ・オーバーフローの可能性を持っている
(libc-5.4.13 で修正されたが)。したがって、mount のような set-user-ID
されるプログラムでは、この関数相当の関数を自前で持つ必要がある。
関連項目
readlink(2),
canonicalize_file_name(3),
getcwd(3),
pathconf(3),
sysconf(3)
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- 返り値
-
- エラー
-
- バージョン
-
- 準拠
-
- 注意
-
- バグ
-
- 関連項目
-
This document was created by
man2html,
using the manual pages.
Time: 04:31:58 GMT, November 19, 2007