MODPROBE
Section: (8)
Updated: 08 May 2005
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名前
modprobe - Linux カーネルにモジュールを追加したり削除したりするプログラム
書式
modprobe [ -v ] [ -V ] [ -C config-file ] [ -n ] [ -i ] [ -q ] [ -o modulename ] [ modulename ] [ module parameters ... ]
modprobe [ -r ] [ -v ] [ -n ] [ -i ] [ modulename ... ]
modprobe [ -l ] [ -t dirname ] [ wildcard ]
modprobe [ -c ]
説明
modprobe は Linux カーネルに賢くモジュールを追加したり削除したりする。
利便性のため、モジュール名において _ と - の違いはないことに注意。
modprobe は、
全てのモジュールと他のファイルを
モジュールディレクトリ
/lib/modules/`uname -r`
から参照する。
このほかに、もしあれば
/etc/modprobe.conf 設定ファイルと
/etc/modprobe.d ディレクトリを参照する
(modprobe.conf(5) を参照) 。
このバージョンの modprobe は、
自身ではモジュールに対して何もしないことに注意。
シンボルの解決やパラメータの解釈といった処理はカーネルの中で行なわれる。
そのため、モジュールの不具合はカーネルのメッセージとして報告されることもある。
dmesg(8) を参照。
modprobe を実行するときは、
depmod (depmod(8) を参照) で生成された
modules.dep が最新の状態になっていなければならない。
このファイルには、
それぞれのモジュールが (もしあれば) 他のどのモジュールを
必要としているかが列挙されていて、
modprobe はこれを使って依存するモジュールを自動的に追加したり削除したりする。
(modules.dep(5) を参照) 。
modulename の後ろに指定された引数は、
カーネルに渡される (設定ファイルに列挙されたオプションに追加される) 。
オプション
- -v --verbose
-
プログラムが何をしているかに関するメッセージを表示する。
通常、 modprobe は何かまずいことが起こった場合に限って
メッセージを表示する。
このオプションは
install および remove コマンドを通じて、
MODPROBE_OPTIONS 環境変数にある modprobe の他のコマンドに渡される。
- -C --config
-
このオプションはデフォルトの設定ファイル
(/etc/modprobe.conf や /etc/modprobe.d/)
を無視する。
このオプションは
install および remove コマンドを通じて、
MODPROBE_OPTIONS 環境変数にある modprobe の他のコマンドに渡される。
- -c --showconfig
-
設定ファイルの内容を表示し、終了する。
- -n --dry-run
-
このオプションは実際にモジュールを登録したり削除したりする
(あるいは install や remove コマンドを実行する) 以外の、
全ての処理を行なう。
-v と組み合わせて使うと、不具合をデバッグするのに便利である。
- -i --ignore-install --ignore-remove
-
このオプションを使うと、 modprobe は
コマンドラインで指定されたモジュールに対する
設定ファイル中の install および remove コマンドを
(もしあれば) 無視する
(ただし、依存するモジュールは設定ファイル中のコマンドに従う) 。
modprobe.conf(5) を参照。
- -q --quiet
-
通常、 modprobe は
見つからない (かつエイリアスでもないか
install/remove コマンドでもない) モジュールを
削除したり登録したりしようとすると、エラーを通知する。
このフラグを使うと、 modprobe は
でたらめな名前は単に無視する
(カーネルはこの名前を使って
存在するかもしれないモジュールを日和見的にプローブする) 。
- -r --remove
-
このオプションで modprobe は
モジュールを削除する。
このオプションがない場合は登録する。
依存するモジュールも使われていない場合、
modprobe はそれらも削除しようとする。
登録とは異なり、複数のモジュールをコマンドラインで指定することができる
(モジュールを削除するときにモジュールパラメータを指定するのは意味がない) 。
通常は、モジュールを削除する理由などないが、
不具合のあるモジュールには必要である。
使っているカーネルがモジュールの削除に対応していないかもしれない。
- -V --version
-
プログラムのバージョンを表示し、終了する。
古いカーネルで実行する場合の注意については下を参照。
- -f --force
-
モジュールからバージョンに関する情報を取り除こうとする
(そうしないとロードできないモジュールに対して) 。
このオプションは
--force-vermagic と --force-modversion オプションの
両方を使ったのと同じである。
当然のことながら、
これらのチェックはあなたを守るために存在するのであって、
このオプションを使うのは危険である。
このオプションは登録されるすべてのモジュールに適用される。
つまり、
コマンドラインで指定したモジュール (またはエイリアス) だけでなく、
依存するモジュールにも有効である。
- --force-vermagic
-
どのモジュールにも、
カーネルやコンパイラのバージョンといった、
重要な情報を持つ短い文字列がある。
モジュールがロードに失敗し、カーネルが "version magic" が
一致しないと文句を言う場合、このオプションを使って
"version magic" を削除することができる。
当然のことながら、
これらのチェックはあなたを守るために存在するのであって、
このオプションを使うのは危険である。
このオプションは登録されるすべてのモジュールに適用される。
つまり、
コマンドラインで指定したモジュール (またはエイリアス) だけでなく、
依存するモジュールにも有効である。
- --force-modversion
-
モジュールが CONFIG_MODVERSIONS をセットして
コンパイルされている場合、
モジュールが使っている (または提供する)
ひとつひとつのインタフェースのバージョンを記したセクションが生成される。
モジュールがロードに失敗し、
カーネルがインタフェースのバージョンの一致しないものがあると文句を言う場合、
"--force-modversion" を使ってバージョン情報をばっさり削除することができる。
当然のことながら、
これらのチェックはあなたを守るために存在するのであって、
このオプションを使うのは危険である。
このオプションは登録されるすべてのモジュールに適用される。
つまり、
コマンドラインで指定したモジュール (またはエイリアス) だけでなく、
依存するモジュールにも有効である。
- -l --list
-
指定されたワイルドカード
(あるいはワイルドカードが指定されない場合 "*") に一致する
すべてのモジュールを列挙する。
このオプションは下位互換性のために用意されている。
もっと柔軟性のある代替品として、
find(1) や basename(1) を参照。
- -a --all
-
指定されたワイルドカードに一致する全てのモジュールを登録する。
このオプションは下位互換性のために用意されている。
もっと柔軟性のある代替品として、
find(1) や basename(1) を参照。
- -t --type
-
-l を
指定された dirname に一致するディレクトリにあるモジュールに限定する。
このオプションは下位互換性のために用意されている。
もっと柔軟性のある代替品として、
find(1) や basename(1) を参照。
- -s --syslog
-
このオプションを使うと、
すべてのエラーメッセージが syslog の仕組みで
(LOG_NOTICE というレベルの LOG_DAEMON として) 通知されるようになる。
このオプションがない場合は標準エラーに出力される。
このオプションは標準エラーが使えない場合、自動的に有効になる。
このオプションは
install および remove コマンドを通じて、
MODPROBE_OPTIONS 環境変数にある modprobe の他のコマンドに渡される。
- --set-version
-
カーネルバージョンを設定する。
このオプションがない場合、
カーネルバージョン (モジュールを検索する場所を表す) を
決定するために uname(2) が使われる。
このオプションは下位互換性のチェックも無効にする
(そのため modprobe.old(8) は一切実行されない) 。
- --show-depends
-
モジュール (またはエイリアス) の依存関係を列挙する。
モジュール自身も含まれる。
このオプションは
モジュールのファイル名の集合 (空の場合もある) を生成する。
1 行に 1 個のモジュールが表示され、先頭に "insmod" が付く。
install コマンドが適用される場合、先頭に "install" が付く。
install コマンドは一切実行しない。
modinfo(8) を使えば
モジュール自身からモジュールの依存関係を取り出すことができるが、
エイリアスや install コマンドについては全く分からないことに注意。
- -o --name
-
このオプションはカーネルに登録されるモジュールの名前を変更しようとする。
テスト用のモジュールには複数回登録することのできるものがあり便利だが、
カーネルは同じ名前のモジュールが 2 個あると拒否する。
通常、モジュールを複数回登録する必要はないはずである。
なぜならモジュールに対応していない場合に役に立たないからである。
- --first-time
-
通常、 modprobe は
すでに存在するモジュールを登録しようとした場合や
存在しないモジュールを削除しようとした場合にも
成功する (そして何もしない) 。
この振る舞いは modutils と下位互換性があり、
単純なスクリプトにとっては望ましい。
しかし、もっと複雑なスクリプトでは
modprobe が実際に何かをしたかどうかを知りたくなることも多い。
このオプションは上のような場合、 modprobe が失敗するようにする。
下位互換性
このバージョンの modprobe は、
カーネル 2.5.48 およびそれ以降のためのものである。
古い形式のモジュールに対応したカーネルを検出すると
(そのためのほとんどの処理はユーザ空間で行なわれる) 、
その場で modprobe.old を実行しようとする。
そのため、ユーザは全く意識しなくてよい。
環境変数
MODPROBE_OPTIONS 環境変数も
modprobe に引数を渡すのに使うことができる。
著作権
このマニュアルページの著作権表示は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation.
関連項目
modprobe.conf(5),
lsmod(8),
modprobe.old(8)
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- オプション
-
- 下位互換性
-
- 環境変数
-
- 著作権
-
- 関連項目
-
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Time: 04:32:35 GMT, November 19, 2007