RPC.YPXFRD
Section: Linux Reference Manual (8)
Updated: August 1996
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名前
rpc.ypxfrd - NIS マップ転送サーバー
書式
/usr/sbin/rpc.ypxfrd
[
-d path
]
[
-p port
]
[
--debug
]
/usr/sbin/rpc.ypxfrd
--version
説明
rpc.ypxfrd
は非常に大きな NIS マップを NIS マスターから NIS スレーブサーバーに
転送する際に、転送を高速化するために用いられる。
NIS スレーブサーバーは、新しいマップがあるというメッセージを
受け取ると、そのマップを取得するために
ypxfr
を起動する。
ypxfr
は yp_all() 関数を用いてマップの内容をマスターサーバーから
読み込もうとする。この情報はデーターベースライブラリを
通して保存されるため、マップのサイズが非常に大きくなると、
このプロセスは数分もかかってしまうことがある。
rpc.ypxfrd
サーバーは、 NIS スレーブサーバーにマスターのマップファイルを
単純にコピーさせ、転送プロセスを高速化する。スレーブサーバーが
ゼロからマップを生成するのに比べ、これはずっと短時間ですむ。
rpc.ypxfrd
は RPC ベースの転送プロトコルを用いるので、新しいマップを
生成する必要はなくなる。
rpc.ypxfrd
は inetd から起動することもできるが、起動には時間がかかるので、
ypserv
の後に /etc/init.d/ypxfrd から起動するのが良い。
- --debug
-
サーバーをデバッグモードで起動する。
デバッグモードでは、サーバーはバックグラウンドへ待避せず、
アクセス要求を受けるたびに細かなステータスメッセージを
標準エラー出力に表示する。
- -d directory
-
/var/yp の代わりに
rpc.ypxfrd
が用いるディレクトリを指定する。
- -p port
-
rpc.ypxfrd
がバインドするポート番号を指定する。このオプションを用いると、
ルータに NIS ポートへのパケットをフィルタリングさせ、
インターネットからの NIS サーバーへのアクセスを制限できる。
- --version
-
バージョン番号を表示する。
セキュリティ
rpc.ypxfrd
はホストのチェックに
ypserv
と同じ機能を用いる。まず
rpc.ypxfrd
は要求元のアドレスを
/var/yp/securenets
または tcp wrapper でチェックする。ホストのサーバーへの接続が
許されている場合には、
rpc.ypxfrd
は
/etc/ypserv.conf
から要求されたマップのルールをチェックする。マップの名前が
ルールにマッチしない場合には、
rpc.ypxfrd
はそのマップの YP_SECURE キーを調べる。キーが存在していると、
rpc.ypxfrd
は特権ポートからの要求だけを許可する。
ファイル
/etc/ypserv.conf
/var/yp/securenets
関連項目
ypserv(8),
makedbm(8),
yppush(8),
ypxfr(8)
バグ
FreeBSD の
ypxfrd
プロトコルは SunOS のものとは互換性がない。これは残念なことではあるが、
不可避なものであった。 Sun のプロトコルはフリーに入手できるものでは
なかったし、仮に入手ができたとしても有用なものにはなりえなかったろう。
後者の理由は、 SunOS NIS v2 の実装がマップのデーターベースにオリジナルの
ndbm パッケージを用いているのに対し、他の実装では GNU DBM や Berkeley DB
を用いているからである。これらのパッケージはまったく異なったファイル
フォーマットを用いている上、 ndbm と gdbm ではバイトオーダーンの違いを
賢く扱うことができない。したがって big endian なシステムで生成された
gdbm や ndbm のデーターベースは、 little endian なシステムでは読むことが
できないのである。 FreeBSD の
ypxfrd
プロトコルは、マスターとスレーブの両方が同じデーターベースパッケージを
使っているかどうかを、また必要に応じて、両システムでのバイトオーダーが等しいか
どうかをチェックする。
著者
ypxfrd プロトコルと FreeBSD への実装: Bill Paul <wpaul@ctr.columbia.edu>
Linux への実装: Thorsten Kukuk <kukuk@suse.de>
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