家の。Norton SystemWorks 2005 から本体は更新していない。
4400 円ってのは高いと思わなくもないが、まあ。
IE でないと製品判別用のツールがダウンロードされずにちと嵌まる。ふむ。
半分くらいまで読んでいたのを、今日の風呂で読了。
『プログラマの数学』
と同様、無限を扱う離散数学が主題。
大変良かった。
3 章の振動と回転、4 章に出てくる数列と母関数の構造など、
別の構造に問題を写し変えると見え方が容易になる、という例がいくつも。
本書では「あっちの世界へ行って帰ってくる」と表現されているが、
数学の内部にある、別々の体系を結ぶ架け橋の重要性は
サイモン=シンの『フェルマーの最終定理』でも繰り返し強調されているところ。
『フェルマー』では数学の本体は読者には味わえない
(という制限の内部では圧倒的に成功しているとは思うが) のに比べ、
この本ではそれを手を動かせば確認できるところが素晴らしい。
Web版「数学ガール」
の読者だった立場からすると、本書の白眉は 9 章のバーゼル問題だった。
ここだけでも買ったかいが十二分にあった。
あと、Web 版に比べ、各所に微分・積分、テイラー展開等々、
連続を扱う数学がより強く絡んできているところも興味深かった。
連続数学という、別の構造 (体系) が提示されることによって、
本書の内容はさらに豊かになったとも思う。
個人的に面白い「気付き」だったのは、
7 章「コンボリューション」のノートのところ。
数列<->母関数におけるコンボリューション<->積の関係は、
まんまフーリエ変換のそれ。
ということで数列→母関数の演算は、
連続関数におけるフーリエ変換なのですね
(kernel をかけて和を取っているのだから当然なのだけど)。
物語設定・登場人物間の会話の中でこれらを述べているのも成功していると思います。
まあ女の子の造形は多分に理想化されているとは思うけれども、
それは結城さん言うところの「憧れ」が投射されているということで (^_^;